
環境問題解決のために、微生物による発酵法や酵素転換法などのバイオプロセス技術を用いて化学品を生産する研究開発が盛んになっています。 化学プロセスの酸化反応では多大なエネルギーを消費しており、省エネの観点からもバイオプロセスへの転換が急務です。 原料としては、化石資源由来でなく、太陽エネルギーの利用と炭酸ガス削減の観点からバイオマスの有効利用が注目されています。 また、プラスチックなど、多くの化学品は廃棄されており、その再資源化が望まれています。 このような背景から、ジナリスでは、プラスチック廃棄物やバイオマスを原料として化学品を安価に製造するバイオプロセス技術の開発を推進しています。
バイオプロセス技術を利用して、アルコールや有機酸を製造するプロジェクトが立ち上がり、数多く事業化されています。 一方、芳香族系化学品をバイオマスから安価に製造することは技術的にむずかしく、事業化された例はありません。 ジナリスでは、芳香族系化学品の中でも、ターゲット製品をフェノール系化合物に特化して、フタル酸類を原料とする製造技術の開発を進めています。
フタル酸類には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸の3種類があります。いずれも主にプラスチックやポリマーの原料として利用されています。
フタル酸が利用されている身近な製品は、ボートなどの船体やマネキンです。またポリ塩化ビニールなどに大量に含まれる可塑剤はフタル酸エステルという物質です。
テレフタル酸は ペットボトルなどのPETやポリエステル繊維などの主成分です。
フタル酸類を原料とする最大の理由は、これら化学品を廃棄する際に廃棄物に含まれるフタル酸類を回収し、再利用することです。
しかしながら、廃プラの再資源化と化学品製造事業との連携事業を経済的に成立させることは容易でないので、まずはバージンのフタル酸類を原料として製造事業を開始することを目指しています。